久しぶりの更新。最近サボリがち・・・

さて、今日はカナダのRADIAL社製TUBEディストーション TONEBONE HOTBRITISH についてレビューしようと思う。

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RADIAL社のペダルはプロにも愛用者が多く高品質で人気も高いが、その中でも特に人気があるのがTONEBONEシリーズの PLEXITUBE ではないだろうか。
特徴はその名の通りMarshallのPLEXIトーンを狙ったものだが、HOTBRITISH は PLEXITUBE のベースになったモデルで、HOTBRITISH を多チャンネル化して使い勝手を向上したものと言える。
なので、基本的なトーンは両者とも同じである。

TONEBONEシリーズにはMarshall系以外にCLASSICというFender系トーンのペダルもある。
Eric Johnson が使用した事で有名といったところか・・・

さてこの HOTBRITISH はオークションで入手したのだが、前オーナーの使用期間は約2年らしい。
真空管は特にヘタっている様子は無かったが、実際に音出ししてみるとどうも好みに合わない。

ご覧の通り、EQやフィルターが充実しており音質の追い込みはかなり幅が広いのだが、何と言うかバリバリっとした歪で耳に痛い感じがする。
なので、ここはひとつ真空管を交換して歪のキャラを変えてやろう!
という事でネットで真空管を発注。

真空管のキャラの方向性としては、粒立ちの細やかなジュワっとしたまろやかな歪のイメージだが、特に明確なものは無かったのでお試しという事でSOVTEKの 12AX7 LPS に換装する事にした。
双極マッチドタイプ。

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ちなみに多くの製品は一般的にユーザによるパーツ交換を嫌うメーカーが多く、当然パーツ交換に関する情報もユーザが独自に入手しなければいけないケースが殆どだが、RADIAL社のマニュアルには親切にも真空管交換に関する手順が写真付きで掲載されており、「自分で好きなキャラの真空管に変えて楽しんで下さい!」的なアプローチである。
ナイス!

また、マニュアルにはセッティング例が豊富に掲載されており、自分で作ったセッティングも記録しておける様にメモ欄も用意されている。
なかなかユーザライクで好感が持てる。

さて肝心の真空管交換だが、結果は大変満足できる結果となった。
歪の強さは純正のRUBYチャイナ管とさほど変わらないが、耳につくバリバリっとした下品な歪も無くなり、何より各コントロールでの音作りがイメージ通りに追い込める様になり、かなり使い勝手が良くなった。もちろん音質もバッチリ。

そしてこの HOTBRITISH、コンセプトからして結構なハイゲインタイプなのだが、GAINを0にすると以外と上質なクランチも出すことができ、オーバードライブからディストーションまでこれ一台でカバーできるポテンシャルもありそうだ。

しかし、最大の特徴はやはりピッキングへのレスポンスと言っていいだろう。真空管を使用している事もあり、弾き方で様々な表情をつける事ができる。
アンプもそうだが、真空管タイプの製品は音質云々よりプレイへのリニアなレスポンスが最大の魅力だと思うし、弾き方によるトーンの変化を感じる事は、プレイが上達するうえでとても重要な要素である。
真空管を使用した製品に対して「所詮1本のTUBEじゃ〜」などと音質面で色々とマイナス評価をする人を見かけるが、そもそも真空管の利点は単に「出音」だけではない。

自分のイメージとしては、大雑把にいうと真空管は有機的で生き物の様なイメージ、対してトランジスタは無機質で機械的なイメージであり、音そのものに関しては今どきの製品なら正直どちらも充分良い音がする。
なので、表情豊かなプレイを目指すのなら真空管がベストマッチという事だ。
でも、もっと大事なのは「必要以上に情報に振り回されないこと」。

真空管だろうがトランジスタだろうが、どこのプロが使っていようが誰が何と評価しようが、最終的には自分でプレイし、耳で聞き体で感じ、その結果感動を得ることができた製品が良い製品である。

世の中安くて良い製品もあれば、高くて悪い製品も山ほどある。
特に自分の場合、プロが使っているというだけの判断は最も信用できない。
彼らにはビジネスの事情があるからね。

と、脱線したので本題に戻ろう。
上記の通り、今回の真空管交換は良い方向に結果が出せ良かったと思っている。
ただ、現時点では純正のRUBY管としか評価基準がないので、また機会があれば色々と試してみたいと思う。

ついでだが、国内ではTONEBONEに関する情報があまり潤沢ではないので、内部の基板周りの写真をアップしておこうと思う。
何かの足しになれば参考にして欲しい。

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近いうちに、その他機材についても記事にする予定。
なかなか興味深いものもあるので、お楽しみに。