FENDER ROAD WORN ’60S ストラトを購入して約3ヶ月、これまでにトレモロユニット&スプリング、ボリュームポット、トーンコンデンサなどの交換を行ってきた訳だが、ここまでの総評としてはなかなか良いギターに仕上がってきたという印象。
前回交換したオイルコンデンサも良い味を出している。
コンデンサはフィルム、セラミックなど主だったものが手持ちにあるので、それぞれの持ち味をじっくり体感しながら今後も試行錯誤していこうと思う。

ただこのストラト、現状では難点もあり、最大の課題はチューニングの不安定さである。オールドライクなモデル&パーツ類という事もあり、最初から分かってはいるのだが、やはり楽器としてチューニングが安定しないのは頂けない。

原因は主にヘッド周り(ナット、ストリングガイド、ペグ)にあるのは分かっており、潤滑剤などで弦の摩擦抵抗を減らしてやれば改善するのだが、ここはパーツ交換も視野に入れて今後の課題として取り組みたい。

さて、今回は弦の交換ついでにサーキット内の配線材セレクタースイッチジャックの交換と、ボリュームポットのスムーステーパー化を行う事にした。

現状、ボリュームの効きがツマミの7〜10に可変域が集中しており、特にクリーン〜クランチのセッティングでは9〜10の幅で大きく変わるので、繊細なボリューム操作を要求される。
ポットをCTSのカスタムポット(ディッシュバックではない背中がフラットな奴)にしている為、トルクが重い事もあって現状の効き方ではちょっと操作がやり辛い・・・
なので、ボリューム全域でなめらかに可変する様にスムーステーパーを採用する事にした。

 

今回の選定パーツは以下。

  • スムーステーパー用コンデンサ:松崎電機製作所シルバーマイカ(ディップ)DM19C/0.0022μF-500V
  • スムーステーパー用抵抗:Kamayaカーボンコンポジション RC 1/4W 220kΩ
  • 配線材:Western Electric 24AWG 単線 1967年製
  • 配線材:Belden 8503
  • ピックアップセレクター:MONTREUX CRL 5way switch
  • ジャック:Switchcraft C11X

まず、スムーステーパー用のコンデンサについては品種を悩んだのだが、ボリュームという事もあり「素直さ」「信頼性」を最優先すべきと判断した。
トーンの時と同様に、音の硬さなどコンデンサの種類によって色々と意見もある様だが、特にオールドなど容量値の誤差が大きそうなものを選んで本末転倒な結果にならない様、現行品で安定した数値が得られそうなものから選んでみた。
採用が多く見られるセラコンについては、音の硬さや粗さを指摘する声も聞かれ、「ナチュラル」だと聞いたディップマイカを取り敢えず選んでみたが、ここら辺は実際に自分で確かめないと真相は分からない・・・

抵抗はXICONのカーボンコンポジションにしようと思ったが、今回は手に入らず代用品のKamaya RC。

推測だが、品種より数値での差が結果に出そうなので0.0022μF-500V&220kΩの組み合わせが如何となるか楽しみである。

次に、今回最も悩んだのが配線材。
これは前回のコンデンサ選定と同様に、かなり情報を掻き集めた。

所謂「オールド」の言葉のマジックに振り舞わされた感じだ。
果たして「言葉のマジック」なのか「真実」なのかは今後検証してみるしかない。

で、選択肢としてピックアップしたのはWestern Electric、LENZ、Gavitt、HOLYOKE、Belden、Cloth Replica Wire。

結果的に選んだのはWestern ElectricとBelden。
まぁこれもストラトでは大定番という感じだけど、WEに関しては同じゲージでも様々な種類があるし、単線、撚線、ブラックエナメル、メッキなど判断材料が多くて、結局使わなきゃ分からん!

て事で、定評のWEをお試しでチョイス。
24AWG 単線をチョイスしたのだが、これは2本を撚って使おうと思っている。ベルデンに関しては作業時のスタンダード配線材として在庫用も兼ねて。

ちなみに現状はストラトにノイズ処理を施していないのだが、この辺りの事情で今回の配線材が高域のバランスにどう影響するのかも気になるポイント。

ピックアップセレクターとアウトプットジャックは現状特に不満は無かったのだが、購入時からの純正品で若干作りが弱いかなという印象だったので、配線をやり替えるこのタイミングで替える事にした。

セレクターはCRL、ジャックはスイッチクラフトと大定番だが、ジャックは堅牢性の高いミルスペックにしてみた。

そうそう、ハンダはオールドのKESTERなどがよく使われている様だが、自分は現行品のKESTER44を使っており、今のところハンダの品種に対する拘りはそこまで持っていない。
成分による差は理解できるが、ハンダに関しては「付け方」が肝だと思うので何よりハンダ付けの腕を上げたいと思う。

今回の作業については、近日中にパーツが届き次第作業を行う予定なので、結果はまた次回。