ギターのコンデンサ、配線材にハマる

ストラト(FENDER ROAD WORN ’60S ストラト)のモディファイを進めていく中、やはり・・・ハマってしまったのが、コンデンサ(キャパシタ)と配線材。
何にハマったかというともちろんパーツの選定なのだが、単にパーツ選びに悩むだけなら楽しみながらやればいいのだが、所謂ビンテージなんちゃらにまつわる諸々の評価。
要するに、ギターネタでありがちの「オールドは音が違う」という諸説に少し振り回される事態に陥ってしまったのだ。

と言っても、別にビンテージフリークでもないので、根拠もなく「この年代のこれじゃなきゃ」的な拘りはない。
現行品で事足りるのであれば、入手性や価格面でも現行品がベストだと思うし、あくまでもその製品の「実力」を最大の選定基準にしたいという考えは持っている。
(ちなみに、技術が進歩した現代=昔よりも品質が良い、とは思っていない。幾ら技術があっても情熱を持って生み出さないブランドの製品は利益優先の商売道具と感じるものが多い。)

ただ確かに「実力」が大事なのだが、この「実力」の中には「音」だけでは括れない様々な要素が詰まっており、そういった面でもオールド製品には現行品では成し得ない「何か」が存在する事も事実だと感じる。

ちょっと本題から外れてしまうが、この「何か」について少し考えてみる。

オールドの楽器は独特のオーラを持っているものが多いが、それはその楽器がこれまで歩んできた歴史や背景から放たれる独特の雰囲気であり、我々が自由に手に入れる事ができない「時間の流れ」によって成し得たものである。

良い環境で沢山弾かれた楽器は、音質面でもより良いものへと変化するのだろうが、楽器が人を魅了する要因は音だけではない。
音とは関係なく人を惹きつける力がある。
特に演奏者にとってはこれは大きなポイントとなる。

楽器は「気持ち良く弾ける」かどうかで演奏の出来不出来に大きな差がつくもので、人間が弾く以上は「感情」や「気分」によって演奏が変わるもの。
つまり、その楽器に惚れ込む事が出来るかどうかはとても重要になる。

そして、お気に入りの楽器で演奏する事は結果的に人に感動を与える演奏にもつながる訳であり、これは逆に言うと、スペック的に素晴らしい機材でもプレイヤーを盛り上げてくれる事がなければ人を感動させる事にはつながらないという事。

こう考えると楽器の良し悪しの議論においては「音質」や数値上に表されるスペックなどとは別に、「プレイヤーやオーディエンスに与えるメンタル的影響力」も決して無視できないものでる。

「オールド」「ビンテージ」が持つ独特の魅力が科学的に再現されにくい要因は、やはりこうした背景があるからだと感じる。

「○○年の○○社製オリジナルキャパシターで、実際に付けてみるとリッチな〜」とか言われるとやっぱり興味が湧くし、科学的根拠があろうがなかろうがそう感じるならそれでいいと思うし、さっきも言った様に「弾いていて気分が良くなる」なら最高のパーツだと思う。

という事で、かな〜り本題から外れてしまったが、只今ストラトに付けるコンデンサと配線材の選定で悩んでおります(笑)。

コンデンサの違いで最も変化を感じる事が出来るのは容量の違いらしいので、まずは一般的な安いもので様々なパターンを試して見て、何となくイメージが掴めたらお試しで良いものに手を出してみるのもありかなと思う。

結局コンデンサや線材は大半が「自己満足」の世界だと思うしね(笑。これが大事だけど)。配線に関してはパーツ選定だけでなく、取り回しなどのノウハウもあるので、これは奥が深そう・・・

で本題ですが、コンデンサ。
ストラト用途に限らず、定番コンデンサの一例はこんな感じかな。

  • Vitamin Q
  • Orange Drop
  • BLACK BEAUTY
  • BUMBLE BEE
  • MULLARD
  • Tropical Fish
  • Black Cat
  • Cornell Dubilier
  • Ero
  • Emerson
  • Jupiter

う〜ん、もっと沢山あって書ききれない。
つか、定番として挙げるならOrange Dropになるのかな?

製品名やブランド名が混在してるけど、一概にコンデンサと言ってもフィルム、オイル、セラミックなどの種類があるし、同じ製品でもメーカーが様々だし、オールドと現行品の違いもある様だし。

そのうえ容量や耐電圧でも音が違うとくれば、そりゃ迷わずに要られない!
理想を言えば、「どのコンデンサがいいのか」ではなく「今のギターの音をこういう方向性にしたい」という理由からのマッチングで決めるのが本来のモディファイなんだけどね。

でも、やっぱり色々試したい!
試してみないと分からない事ってあるし、思いがけない出会いがあるかも。
ビンテージものは別として、コンデンサなんて数十円〜数百円だし、比較的お手軽に試せるモディファイだから、アンプのセッティングを詰めるのと同じ感覚で追求したいなぁとも思う。

いや、幾らアンプの音を煮詰めても、やっぱギターそのものが最高の状態で音出せてなかったらダメでしょ。
何か気持ち悪い。

という事で、今検討しているコンデンサの中で最有力候補を挙げるとすれば

  • Vitamin Q
  • Orange Drop
  • BLACK BEAUTY

何れもスプラグ社製のオリジナル。

Orange Dropに関しては近年のものは音抜けが悪いと聞くが、どうだろうか。
Vitamin Qも今やなかなか手に入らないし、BLACK BEAUTYは当然デッドストックとなる。

結局、Orange Dropもオールドを狙うとなると全てデッドストックなんで、それなりの投資になりそう。
ただ、BLACK BEAUTYに関してはちょっと別格なんで、これは多少の投資をしても一度は試してみたいな。(出来ればレスポールで試したいけどね。特にBUMBLE BEE。)

残り2つは価格を判断しながら良さ気なものが見つかればって感じかな。

何れにせよ、特にストラトの場合はセラミックも気になるし、こっちだと比較的安価なんで、まずは入手しやすいもので色々なパターンを試してみる方が結果的に得られるものは大きいのかなとも思っている。

結果、何かを掴めるとも思うしね。
ただ、ビンテージのコンデンサはプレミアが付いているから、良いのを見つけたら取り敢えずストックしておかないと(もう買えないかもしれない)的な心理が働いて、正しくビンテージなんちゃらの罠にハマった感がある。

まぁ、コンデンサで激変する訳じゃないから「基本、自己満足」である事を忘れずに無駄な投資にならない範囲でビンテージ遊びをやろうかな(笑)。

とにかくやってみなきゃ何も分からない訳で、さあどうすっかな。

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